たった一人の親友へ
「相変わらずさなは泣き虫だなぁ」

「そんなことないもん。」

「男は涙に弱いんだから(笑)」

そう言ってあたしを家の中に促し

「おじゃましま~す。」って入っていく



久しぶりに会った隆也は

別れた頃より随分と大人びていて

やっぱりあたしなんかより、ずっとずっと大人だってことを思い知らされる



ソファに二人で座って友香の話を聞いてくれる隆也



また泣きそうになるあたしに

隆也はそっとあたしの肩に手を乗せて

自分の方へと抱き寄せる



やっぱり翔と隆也は似てる


あたしが安心できる温かい腕

ふとはにかむ笑顔


あたしは隆也にすべて話した

事故のこと

母のこと

友香のこと


翔のこと以外包み隠さず自分をさらけ出した




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