たった一人の親友へ
騒動が落ち着いて席に着くと、何となく翔と目があった

彼の目は全てを見透かしているようで

それでいてあたしを嘲笑うかのようで

何だか言いようもない不安に全身から鳥肌がたった



それから何を思ったのか翔はあたしに近づいて来て耳元で一言







「今度嘘泣きの仕方教えてよ」








やっぱり。

ばれてんじゃん……。




彼への憎しみ半分
ちょっぴり共犯者な気分に陥ったあたしは

まるで嘘がばれた子供みたいに、心臓が跳びはねて

手にはじっとりと汗を握ってた


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