たった一人の親友へ

「俺はお前に好きなやつがいるって分かって付き合ってるんだから。
だからそのことでお前が辛いとき、ちゃんと支えてぇし。
それでいつかちゃんと心から俺のこと必要だなぁ、って思えたら俺にとってもさなにとっても最高じゃん。」


あたしは隆也に与えられる言葉が見つからなかった

あたしの口から発せられる言葉は

全て汚い気がして


長い長い沈黙の後

何とかあたしの口から発せられた言葉

「隆也はバカだよ。
あたしとなんか別れて他の人と付き合った方が、絶対幸せになれる。」


「だぁかぁらぁ
何度も言うようだけど、俺はさなと別れて違う女と付き合ったけどその方が辛かったんだって。
どんな扱いされてもさなだったら良いよ。
俺はさなの傍にいられたらそれでいいから。」


そんな隆也の精一杯の気持ちに

答えられる言葉なんて

あたしは持ってない


ただただ涙をこらえた

それでも涙は枯れることなく

あたしの瞳からあふれ出す



「この泣き虫っ。。」



そういって隆也はあたしの頭をこつんって叩く


そして・・・

ほらね


こうやって

優しく温かく


抱きしめてくれるんだ