たった一人の親友へ
夜翔の家の事務所に久々に泊まった


三ヶ月前とは違う風景


ピンクのマグカップ

黄色い歯ブラシ

かわいらしいキャラクターの抱き枕


いたるところにある、ゆいちゃんの影



「あっ!ごめんごめん。ゆい何でも置いてくからさぁ。」



そう言ってはにかむ翔



「ねぇ、翔。ゆいちゃんのこと好き?」


今まで聞けなかったこと

怖くて

傷つくことが嫌だったから



「突然何だよ〜(笑)
好きだけどさぁ。
さなは?隆也先輩と上手くいってるの?」




好きだけどさぁ




こんな言葉をかけられるゆいちゃんは本当に幸せだね


「上手くいってるよ。」


「そっかぁ!今度は大事にしろよ。
お前のことそんなに想ってくれる人なんて中々いないぞ〜。」


「何それー」



こんな単純な会話でもすごく楽しいの


数時間前には考えられなかったから





この日は翔のベッドで寝た


枕から彼の臭いがして



あたしはドキドキしすぎて



ずっと寝付けなかった






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