男子と女子
伊藤くん
「伊藤くんて金崎さんと仲良いよねぇ」


伊藤くんが飲んでたジュースを吹いた


「あ、あのなぁ!?あいつが勝手に寄ってくるんだよ!!」


ガシッと掴まれた腕に目をやる
伊藤くんはちょっと顔を赤らめて
パッとその手を離した

「だって、この間膝枕してたじゃん」
「あれは…」

無理矢理やらされたんだよっと言いながら
伊藤くんはプイとそっぽを向いてしまった


「いやだって断ったら泣きそうな顔するから…」


ふーんと目を細めて伊藤くんをみる
なんだか尋問してるみたいだ


「泣けばなんでもしてあげるんだ?」
「ちげーよ!」

そっぽを向いていた伊藤くんが
勢いよく振り返る
冷たい眼差しのわたしと目が合って
伊藤くんは下を向いた


「オレは何度も言うけどお前のことが…」


ガンと伊藤くんの足を蹴った
いてぇ!と言って伊藤くんは持っていた牛乳を落とした

左手に持っていたカバンを右手に持ち直して
わたしは走って階段を降りていった



上の方から
「お前のことが好きだからーっ!」
…と伊藤くんの声が響いた






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