泪の花。
『あんたが変な事ばっかり言うからじゃない!!』


「変なのは初美の言動の方だと思うんだけど?赤面性なの?それとも俺を意識してるの?……なーんて、」


『思い上がんな!!バーカ!!意識って何よ?何で私があんたを意識しなくちゃいけないの!?』


「…そんなムキになんなよ冗談なのに。そんな否定されたらなんか…立ち直れなくなる」


と俯く。


『…そんな事ばっかり言って』


「イヤ、ホントに。いつも本気なのに…」


とまっすぐ私を見る目。


困った…動けない。



コイツが何考えてるのか全く分からない。


私の気持ちも見えない…


心にもやがかかっているみたいだ。




「初美の初恋はどんな気持ちがした?」


また、いきなりな質問。

初恋?



初恋って…初めてちゃんと目を見た男の子ってだけで…


泣いているのが印象的だった。



私の変わりに泣いてくれたようで…



あの日、一人でいるより側に居てくれた事で、どれだけ救われたか知れない。






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