泪の花。
次の日。


学校へ行っても震えが止まらない。



「初美ちゃん大丈夫?」



と朔來が心配そうに尋ねてくる。


大丈夫……なわけがない。


余りの恐怖に自分を見失いそうだ。




『恐怖の大魔王が…』



とガタガタ震える私。



こんなキャラじゃないとわかっていても…会いたくない!!




あの人は私をからかうのを生きがいにしている様な人…



しかも…人の心を読んじゃってるんじゃないかってくらい感が鋭い。




気配なく人の背後に寄ってきては脅かされて、泣いた記憶は数え切れない。




『お盆も正月も帰って来なかった癖に!!!!!』



といきなり大きな声を出して机を叩いた私を、教室中の人達が見ていた。



「初美落ち着けって。」




とアイツは私の頭を触る…


ドキッとしたが…




『触るな!!』



と可愛げもなく振り払うしか出来ない。



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