泪の花。
「あっ、ネックレスつけてくれてるんだな」


と嬉しそうに笑うアイツ。



なんだか恥ずかしくて俯いてしまった。



なんとも思わずにつけていたけど…


外していると変な感じなのだ。


何か足りないような感じがして…


外してもすぐにつけている。




『気に入ったからつけてるだけよ…』


「ありがとう」


私が言わなきゃならないハズの言葉を、アイツから言われてしまった。




ふとケータイが鳴り響いて、隣の子が電話に出た。



“あっ、お姉ちゃん?”





お姉ちゃん……!?



一瞬忘れていたのに…


何の罪もない隣のクラスメートを恨んだ。



「俺、初美の姉さんに会いたい!!」


「海ちゃんやめた方がいいよ?初美ちゃんのお姉ちゃん男嫌いだから。」



『姉って単語を出すな!!』



頭を抱えて机に伏せた。



「重症だなこりゃ」


とアイツが言った。



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