泪の花。
帰ってきた姉からイジリ倒され…



夜中、やっと寝た姉を確認し、こっそりコンビニへ出掛けた。



少し肌寒い風を受けながら歩く。



夜中に出歩くのは、如何なものかと思ったが家にいるのは余りにも辛すぎた。




ザッ…



後ろから足音らしきものが聞こえ、鳥肌が立った。


こんな時、人間は動けなくなってしまうものなのだろうか?



足が一歩も前へ出ない。


トントンと肩を叩かれ、もうダメだと思った。



「初美?」



聞きなれた声が、後ろから聞こえて振り向いた。



「っ…こんな夜中に一人で出歩くなよ!!!!」


大きな声で…


怒鳴られたのにびっくりして、目を瞑って身を小さくした。



今日は散々な日だと思った。



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