泪の花。
私を大切にしてくれる理由が知りたいだけなのに…


好きな人がいるのに、私を気遣ってくれる理由が知りたいのに…


でも、私はなんでそんな事が気になるの?


この不可解な気持ちは一体何なの?




「コンビニ行くんだろ?エスコートします…お姫様。」



ニィって笑って、バカみたいに恥ずかしい事を言ってのけたアイツ。



『バッカじゃないの』


と言いながら暗くて良かったと思った。


顔が火照って仕方なかったから…



歩きながらアイツが


「初美はさ、姉さん嫌いなのか?」


と聞いてきた。


『なんか同じ質問あんたにもしたわよね…お父さん嫌いなのかって。』


そう言えばそうだな…



と言って、もう一度同じ質問をしてきた。



『嫌いじゃない…あんたがお父さんに感じるような気持ちと一緒だと思う。』



「苦手…?」




『うん…私がイヤだと思う事、痛いとこばかりついてくるの。』



「愛情の裏返しなんじゃねぇの?」


と言ったアイツ。
< 111 / 203 >

この作品をシェア

pagetop