泪の花。
テンポのよい会話。


居心地が良いなんて思い始めたのはいつからだろう?



気付いたら、誰よりも私の側にいる気がする…



“初美”


後ろからおばあちゃんの声が聞こえた気がした。


振り向いたそこには誰もいなくて、アイツが


「どうした?」


なんて質問をしてきて、首を数回横に振った。



私は…忘れたいの?


忘れたくないの?



心の中は矛盾の渦がグルグルと巻いている。



忘れたいなんて酷い事を思ったりしてはいけないのに…


もし、辛い思い出を忘れる事が出来るなら…


なんて、ズルい考えが横切る自分が大嫌いだ。



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