泪の花。
「初美!!大丈夫か!!」



「貧血持ちの癖にいきなり立ち上がるから…ホント学習能力のない子」



そう言いながら初美の頭に手を置くお姉さんは優しい顔をしていた。



「心配ばかりさせるんだから」


とすぐに表情は戻って、鉄仮面の様になっていた。



「私と初美を送って行きなさい」


命令なんだ


と心の中で呟いたのに


「当たり前でしょう。なんであなたにお願いをしなくてはならないの?」



と心を読まれてしまった。


「ホントに読めるんですか?」


「あなたの顔に書いてあったのよ」



「そんな分かりやすいリアクションしました?俺」



「さぁ?」


さぁ?って…



「初美起きないわね、抱えれる?」



「これでも力はありますよ」



「もし…落としでもしたら、ギロチンで首を落として、細切れに切り刻んで鮫の餌にしてやるから」



「物騒な事言わないで下さいよ。死んでも離しませんから安心してください。」





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