泪の花。
「またね、初美」



姉さんは大きな荷物を、まるで空っぽの物のように、軽々と持ち上げて去って行った。



台風が来たみたいだと思ったけど、会えて良かったと思えたのは…少し自分が、前を向けたという証拠だろうか?



ふとアイツを思い出して…顔が熱くなった。



『私…意味わかんない…』


独り言を呟いた後、姉さんを怒らせかけていたアイツが…

どうして良い男に昇格したのか…


気になって仕方なかった。
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