泪の花。
ペラペラと喋るコイツの言葉、聞いてないふりをしながら…


実は、しっかりと聞いていた。


「疑うより信じなさいって、それをしようとする事に意味があると思うよ…俺はね。」


…本当に何を考えているか分からない奴だけど…


コイツは人の目を真っ直ぐ見て話す。



それは誰でも出来るわけではないと思う。


『疑う事は醜い感情…だと思わない?』


ハッとした…何、会話が成立するような質問をしているのだと


「思わない。人間誰しも持ってるから、どうしたって消えないこの感情と上手く付き合っていくしかないんだと思う。綺麗な人間なんていないさ…きっと。」



そう言ってまた真っ直ぐ見てきたアイツと視線がぶつかりそらせずにいた…


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