泪の花。
ある日、放課後遅くまで残っていた俺は、担任に呼び止められた。



「咲坂弟!!」


『先生、やめてよその呼び方。』


「悪い悪い。」




絶対に悪いなんて思ってないなと感じながら、何か用?と聞いた。



「今日中に久遠に渡す筈だったプリント渡し損ねたんだ、お前確か帰り道だろ?届けてくれないか?」


『えー。タダで?』


と手を出すと、パシンと帳簿で頭を叩かれた。



「じゃ、頼んだぞ」


とプリントを押しつけ、スタスタと去っていく担任に、少しだけ殺意を抱いた…



ホント少しだけ。


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