泪の花。
アイツも俺も中学生になり、アイツは部活を始め…俺は帰宅部だった。




毎日のように由貴さんのとこへ通い、毎日のアイツの学校生活を話した。


ある日


いつものように、由貴さんの所へ行くと珍しく寝ていた。


年のせいもあり、あまり体調が良くないらしく、いつも布団は敷いてあるが…


それに寝ている由貴さんなんか見た事なくて…


ホントに体調悪いのかよ。


って思うくらい元気な由貴さんの様子が変な事に、その場の空気ですぐ分かった。


近づくと…途切れ途切れに、息をしながら



『また来たのかい坊主』


と笑っていた。



苦しい筈なのに、いつも通りに振る舞おうとする由貴さんが痛々しくて…

見てられなくて…早く、アイツが帰って来るのを祈っていた。

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