泪の花。
病室の扉を開けると、そこにはショートカットの女の人が、ベッドに座っていた。



「いらっしゃい!!あなたは…朔來ちゃん?いやー可愛いわぁ~予想より遥かに!!家、御近所なのに会った事なかったものね…って私が居なかったんだけど」



と大きな声で笑っている。



「初めまして!!会えて嬉しいです…ぅっ…」


と泣き出す朔來、よっぽど嬉しかったのだろう。


「あらあら、おばさんも泣いちゃうわぁ…私の事は出来れば椿姫さんって呼んでね?」



ポカンとしている私に



「そちらは初美さんね?美人さんだわー目の保養になるわぁ~」



とニコニコしている。



ハッと我に返り挨拶をした



『初めまして、久遠初美と言います。』



握手をすると…凄く華奢なその手は、握ると壊してさまいそうだった。



「ここまで来るの疲れたでしょう?病院の隣のホテルに部屋を取ってあるから、そこで休んでね」


そう言い終わると、看護婦さんが入ってきて追い出されてしまった。


「毎日、定期的に検査するんだって…春ちゃんが言ってた。」


朔來が少し暗い顔をして私に言った。



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