泪の花。
ふと体に自分の体温とは違う、別の温もりを感じて


目を開けると、眠っていた筈の椿姫さんが、私を抱き締めてくれていた。



「大丈夫よ、大丈夫。」


何故、そんな言葉を私にかけてくれているのか…



「ごめんね、折角来てくれたのに、うたた寝しちゃってたわ。」



『いえ…私こそ、なんだかすいません。』



「何で謝るの?今、抱きついたのは、私が人肌恋しかっただけよ」



気をつけてー襲っちゃうかもよ?


と言いながら笑っている。


『私、何で呼ばれたんでしょうか?』



何か、気に障る事でもしてしまったのかと、内心ビクビクしていた。


でも、人に怯えるなんて…


そんな気持ち今まで感じた事がなく、周りを気にしないで、他人にどう思われたって構わないと思いながら生活してきたのに、この人には不快な思いをさせたくないと強く思った。



「違うわよー最近ね、海斗が電話してくる度に話に出てくる“初美ちゃん”にどうしても会いたくなったの」


『はぁ…』
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