泪の花。
アイツ…

私の何を話してんだよ…

「今日は、初美に怒られた。今日は、初美から睨まれた。今日は、初美が笑ってくれた。って…何の報告か分からないけど、そう言いながら電話越しにあの子の笑顔が見えるの。」



恥ずかしくて俯いてしまった。



全部アイツが仕掛けてきて、私が怒る。


という日常の全てが、目の前の人にだだ漏れだったなんて…




『あの…なんていうか…』


「うちのバカ息子が迷惑かけてるわねー。ホントあの子は、何かに夢中になるとタチ悪いからしょうがない。」



と頭を下げて謝る椿姫さん。


『そんな…頭を上げて下さい。あの、夢中にとは私を怒らせる事でしょうか?』



真面目に質問したつもりなのに、大爆笑されてしまった。



すると椿姫さんは、いきなり顔が青くなり


「イタタ…」



と胸を抑えてうずくまった。


それを見て、自分の体中の血液がサーッと引いていくのが分かった。
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