泪の花。
「私は…あの子達を産んでからずっとこんなんだけど、そんな風に思った事はなかったなぁ…」


と私の手を握る


「でもね、こんな体で一緒に遊んであげられないじゃない?寂しい思いをさせてるんじゃないかって…あの子達が、小学校に上がった最初の誕生日に、一度だけ謝った事があるの。そしたら

“そんな言葉を僕たちに言うのは間違いだよ。僕たちは、ママに産んでくれてありがとう。って言いに来たのに、謝られたらどうしたらいいか分からないよ”
って言われたわ」



『…』




「その時にね…私はこの子達を産む為に生まれたんだって思った。満足に母親らしい事をしてあげられないけれど、この世に生を受けてこの子達と出逢えて…私は幸せだって思った。」



私の心に一つ一つ語りかけるように話す瞳から目を反らす事が出来なかった。

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