泪の花。
それに………


あんなに怒鳴って、振り解いても、振り解いても私の手を掴んでくれたアイツ。



私…アイツがいなきゃ多分まだ、ここには辿り着いてない。



優しく握ってくれたあの手は…



どこか懐かしくて、寂しい思いも沸き起こってくるけれど…

初めて怒った時も、久しぶりに笑えた時も…必ず側にいた。



ストーカーだからだけどね。



私、今度の命日に逢いに行くね…


ストーカーを連れて。


そう心に話しかけながら、日本へ帰国する飛行機へ乗った。

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