泪の花。
『ねぇ、変態。6月3日…空いてる?』


今まで曇っていた顔はパァと明るくなり


「デート!?デートのお誘い?」


『違うわよ!!空いてるの?空いてないの!?』



「空いてます!!どこ行くの?」


『お墓。』


「初デートがお墓?」


『だから、デートじゃないってば!!』


「最高かもな…お墓。」

と優しく笑った真意を私は分かっていなかった。


6月3日、当日。


朝早くからアイツは私の家の前にいた。


「早く起きたから…」


『迷惑な…私、まだ準備してないんだけど?しょうがない、上がって待ってて。』


そう言ったのに、なかなか入らないアイツ。


『入らないの?』


「いや、どーぞって招かれる日が来るなんて思ってなかったから…」


『……ならそこに立ってろ。』


上がる…上がります。と慌てて入ってきたアイツは、


「初美の部屋の前の和室に居てもいいか?」


『別に…いいけど。』



変に思いながら私は自分の部屋へ入った。




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