泪の花。
「黙ってて…ごめん。でも、初美が由貴さんに会いにいく準備が出来るまで、黙ってようと思ったんだ。」



『ど…して?』


「言っても信じて貰えないかもしれないって不安があったのかも。」



『違う!!どうしておばあちゃんが死んだ時に側に居たの?ずっと聞きたかったの。怒ってなんかないよ…私、ずっとあんたに会いたかったんだもの。』

ずっと、側に居たんだ…

「初美…」



『ストーカーが会いたかった人なんて…皮肉よね』


なんだか、嬉しくて…そう言って笑うと涙が溢れた。


『嬉しくて泣くなんて…初めて。』


止めどなく溢れる久しぶりの涙に、驚きながらも満たされた感情に包まれる。


「…初体験?」


『…最低。』


「なんでさー」


『あんたが言う言葉は全部ヤらしく聞こえる。あー最低。気分ぶち壊し。』



「そんな、遠慮なくズバズバ言うなよ~会いたかった人なんだろ?俺。」



とニコニコと言うよりニヤニヤしている。


『会いたかったけど…もっと違う想像してたなぁ、咲坂君の方が私の理想には近いかも。』


と冗談で言うと本気で落ち込んでいた。


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