泪の花。
私は…


知らない内に眠ったらしく、アイツはおぶって連れて帰って来てくれたらしい。



また赤っ恥をかいたと思わずにはいられなかった。




だけど…なんだか胸騒ぎが収まらなくて、抱き締められていた自分の体を抱き締めてみた。


『寂しい…』


……寂しい?



さっき会ってたばっかりなのに?


腕の温もりを確かめるように体をさするが、どうしたってあの温かさは蘇らない。




体が…

心が…

全部でアイツを思ってる。



この思いはもう…理屈じゃなくて、特別…なんだ。


私……好きなんだ…海斗が。


今頃気付いて、愛しくて堪らないという気持ちが溢れ出した。


好きだから、支えたいと思うんだね。


好きだから、相手の為に何かしたいと思うんだね。


そんな当たり前の感情を、私は気付かずにいた。



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