泪の花。
次の日。



アイツに気持ちを伝えようと決心して…


思い出した事がある。



今まですっかり忘れていた。


それは…



海斗には、ずっと好きな片思いの相手がいるという事。



叶いっこないじゃない…


と弱気になりつつも…



気持ちを伝える事は、しなくてはならないと思った。



でも、どうしても臆病かぜに吹かれてしまう。





学校の門で、アイツの姿が見えた。



昨日会ったばかり…


でも、会いたくて堪らなかった。


体は心よりも正直で…


知らず知らずにアイツに触れていた…



…………!!


私は何をしてるんだ!!




と思った瞬間、顔が熱くなり走り出した。



後方で



「初美!!」



と呼ぶ声が聞こえたけれど、振り返る事なんて出来なかった。



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