泪の花。
なんで時間通りの飛行機に乗らなかったの?



そう聞くと、


初美が呼んだから。


なんてかっこつけて言ったが、ただ乗り遅れただけだった。



でも…それは、奇跡だと思う。


少しだけ運命を信じてみようとも思えるような出来事…


…ん?



『あっ!!!!』


「なに…突然大きな声出して」


『海斗…片思いの人がいるって言ってたじゃない!!』


私があまりに可哀想だから、同情してくれたのかな?



『結局は…私の片思いなの?』


泣きそうになりながら、アイツに聞いた。


「初美…俺…こんだけアピールしたのに…泣きたい…」


と落ち込んでいる。



『泣きたいのはこっちだよ!!うぅ…』



「どうしたらいいかな…。俺の初恋の人はね、泣き虫で…優しくて…笑顔が綺麗で…」



『もう…やめてよ…』



聞きたくない…


もうイヤ…



「そいで…今、俺の目の前にいて、由貴さんの孫です。」



やめ…





「私!?」


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