泪の花。
「変わらぬ愛なんてさ、ないかな?」


イキナリ考えていた事を言われ、ビクッとした。


海斗は、不意に私の心をよむ…



まるで…姉さんみたいだ。




『どうしてそんな事言うの?』



「んーなんとなく思っただけだけど、世の中はさ、口先だけの言葉が沢山あるから。」



そういう風な事を考えていたのは、私だけじゃないのかな?



少なくとも、海斗は同じ闇を持っていて…



それを、心に抱えて生きているんだと思った。




「でも…ある。ない。じゃなくて、その愛を信じて生きたいよな。」



と言いながら


桔梗を抱く優しい表情が、あまりにも綺麗で、涙が出そうになった。




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