泪の花。
『気が早いですね、パパは』


そう話しかけると、私の小指をギュッと握る桔梗。



「パパ?俺?初美…俺をパパって呼んでくれたの?」


とキラキラした目で見ている。



「あんたしかいないでしょ!!」


自分が言った事は、何も間違っていないのに、
何故か恥ずかしくなった。



「パパかぁ…桔梗に言われる日はいつかな?でも、初美には名前で呼ばれたいな…いくつ年を重ねても。」



“たまにはパパでもいいなぁ…”



とニコニコしている。



『バカ…』



「バカだもん。」



『…私も。いくつになっても名前で呼んで欲しい…』



海斗は、ちょっとビックリした顔をして



「言われなくても、そのつもりだよ」


と優しく笑っている。
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