泪の花。

秘密。

季節が、駆け足をしたかのように時は進み、受験も間近にせまった12月。


頭が悪いわけではなかった私。



でも、やりたい事も行きたい高校というのも無かったので、とりあえず近場の公立の高校を受験する事にした。



朔來と咲坂君にその事を伝えると、自分達もその高校を受験するつもりでいたと告げられた。


『…朔來、あんた大丈夫なの?』



「え?………なるようになるよ!!」



“ならないよ”

と咲坂君とハモって突っ込んでしまった。



「二人とも…酷い…」



涙目になりながら俯く朔來、



『咲坂君に勉強教えて貰うんだね』



「うん!!頑張る!!」



とすぐ立ち直り


「では、早速図書室へ!!春ちゃん行くよ~」

と呑気な朔來の声に、咲坂君は苦笑いしながら小さく溜め息をついた。




『咲坂君頑張って下さい。』



「俺、もう一人見なくちゃいけないから、大変なんだけどね」


とドンヨリと沈んだように見え…


『もう1人?ですか?』

と聞いてみた。

「うん…あっ!!じゃあまたね!!」

朔來と同じくらい、教えるのに苦労しているんだな。


と哀れに感じた。
< 26 / 203 >

この作品をシェア

pagetop