泪の花。
勉強の仕方は、その人が問題を解いて、一通り採点した後、間違った所に字を加えながら私が言葉で説明するというものだった。



一緒に勉強していくうちに、この人は頭が悪いんじゃなくて…


ただ勉強をしなかっただけなんじゃないかと思った。


飲み込みは早いし、一度間違った問題は二度と間違わない。




“勉強って楽しいですね”



と紙に書いて渡された時に確信した。



まともに勉強していれば、私が教える必要はない人なんだと。




“とても飲み込みが早いですね”

そう書くと



“教え方が上手だからです”



と言ってくれた。

いや、書いてくれた。


今日の勉強がひと段落ついた所で



“勉強、今までしなかったんですか?”



と、思わず聞いて(書いて)しまった。



“…なんか勉強する事忘れちゃってて、一つの事に集中しちゃうと他が適当になるみたいなんです”


“それだけ集中出来る事があるのは凄い事だと思います。”



“ありがとう”
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