泪の花。
長い長い校長の話が終わり、ようやく教室に案内されてゆっくりと座る事が出来た。



教室には見なれた顔がいくつかあるが、誰も話した事のない人ばかり。


まぁ、いいやと思いながら、少し朔來が心配だった。


咲坂君と同じクラスだといいけどと、担任の話を聞き流しながら、そんな事を考えていた。



担任は若い男の先生。



私の周りでは、コソコソと“カッコイイ”などと話が飛び交っている。


入学式特有の、このざわついた雰囲気があまり好きではない。



休憩時間を少しとると、担任は告げて教室を出て行った。



私も教室を出て、校舎の裏を歩いていると庭があり、そこには大きな桜の木があった。



制服が少し大きくて着なれないブレザー…


おばあちゃんに、中学生になってセーラー服をお披露目した事を思い出した。


『高校の制服も見せたかったな…』


最近独り言多いな…


と思いながら桜の木の下で、うたた寝してしまっていた。


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