泪の花。
夏休みに入り、家でのんびりすることを決め込んでいた私のもとに電話が入った。


「もしもし?初美ちゃん?」

朔來からだった

『なに?』

「二泊三日で海に行こー!!」

と突然、声があのバカに変わって反射的に電源を押しそうになると…

「オイッ切るなよ!!!」


と行動を見られている様に当てられビックリした。



“初美ちゃーん”


と朔來の声が、電話越しではなく、近くに聞こえて外を見た。



そこには、朔來と咲坂君と…………アイツがいた。



『朔來、あんた夏バテは?』



ノコノコとウチへ上がり込む3人。


「夏バテなんかに負けてらんないよー!!」



そう言いながら顔面蒼白。



でも、食べ物が喉を通るらしくそんなに辛くはないらしい。



端から見るとものスゴくきつそうだが…



「だって…思い出作りたいんだもん」



と拗ねたように言われ、しょうがない。


と渋々、旅行の準備を始めた。



< 48 / 203 >

この作品をシェア

pagetop