泪の花。
「実はさ、朔來に海行こうって唆したの俺なんだ。」


『え?』

「俺が……初美と!!海を見たかったんだ。俺と2人きりじゃ望み薄だろ?」




初めて…


名前を呼ばれた事に驚いて、言葉がなかなか出てこない。



「どした?」


『どうもしないわよ!!断りもなく呼び捨てしないでよ!!今までお前とかあんただったのに…』



「俺の名前を呼んで欲しいから、まず俺も名前で呼ばなきゃって思ってさ。」


『や、やめてよ!!』


「イヤだね、初美が俺の名前呼んでくれたら…」


『くれたら?』


「呼んでくれても、やっぱり俺は初美って呼びたいな。」


…なんでコイツは恥ずかし気もなく、こういう事をサラッと言いだすのだろう?


『バカ!!』


そうぶっきらぼうに言って顔をそらしたが、ドキドキして胸が破れそうだ…


何これ?




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