泪の花。
「初美?」


と、もう一度アイツは呼ぶ…すると、より一層心臓が跳ね返る。



『なによ!!』



と怒鳴ってしまい、到着と同時に朔來と咲坂君を起こしてしまった。


「変な初美」


と意地悪そうに笑顔を浮かべるこいつは確信犯だ。


そそくさと車を出ると、夏の太陽は容赦なく私を照らした。


二泊三日…


何事もありませんようにと、祈るように空を仰いだ。
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