泪の花。

親父!!?

海がよく見えるそのペンションは、とても綺麗な建物だった。



「朔來と初美さんは同じ部屋でいいですか?」



やったー初美ちゃんと一緒と喜ぶ朔來を余所に、どんよりしている私…


二泊もあの男と一緒なんて信じられない。



もう、こうなったら居ないものとして扱おう、そうしよう。


と決めたそばから



「えー!!!!俺、初美と一緒の部屋がいい!!」



と大きな声で言うアイツ。


殴りたい気持ちを抑えて震えていると


ボカッ!!



と鈍い音が二つして、朔來はニコニコしながら、咲坂君は怒りの色を浮かべて、アイツの頭を殴っていた。



ポカンとしていると、朔來が

「ごめんねー海斗は何を考えてんだろーねぇ…初美ちゃんに何かしたら、明日は来ないのにね。」


とニコニコしながら恐ろしい言葉を吐いている。

こうなった朔來はたちがわるい…


『いや、いいけど…』


頭を抱えてうずくまるアイツが少し可愛そうに思えた。

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