泪の花。
ダーンダーンダーン、ダンダダーン、ダンダダーン………



いきなり、ダースベーダーの着信音が部屋中に鳴り響く。


その瞬間にアイツは顔をしかめた。


何故か出ずに、


音が、切れてしまうと…


しばらくもしないうちに、またけたたましくなり始めた。




クソっと舌打ちをして、

「なんだよ咲斗!!!!」



とケータイに向かって怒鳴りつけた。



すると入口がバンッ!!と開いて、背の高い男の人が現れた。


年齢は四十代前半だろうか?


もっと若くも見えるが、着ていたスーツがとても落ち着いた色をしていたので、そのくらいだろうと思った。



スタスタと歩いて、私と朔來に軽く会釈をすると咲坂君とアイツに向き直って、



「親父を名前で呼ぶ息子は、世界中探してもあまり居ないだろうなぁ」



と静かな口調でアイツに話しかける。


「何しに来たんだよ」


と頭を抱えるアイツ。


咲坂君は久しぶりです。と言いながら笑っている

親父って……


と考えていると私より先に朔來が口を開いた。


< 60 / 203 >

この作品をシェア

pagetop