泪の花。
「春ちゃんのお父さんですか!?」


親の前なんだから、他に呼び方があるだろ朔來…春ちゃんなんて言うなよと今度は私が頭を抱えてしまった。



長く幼なじみをしていると咲坂君は言っていたが…


朔來は初対面なんだろうか?



「そうだよ、春ちゃんのお父さんだ…朔來さん。」



ニッコリと笑った顔は、とても優しくて見入ってしまった。



「そちらのお嬢さん…」


そう言って手を掴まれると、



「そんなに見つめられたら照れてしまう」


そう言ってまた笑った。


あぁ…間違いなくアイツの父親だ。


そう思った瞬間



「初美の手を放せよ…咲斗…」



とアイツが唸った。表情には余裕がなく、怒っている…



何をそんなに怒っているのか、私には見当がつかないが…


これはこれで面白いモノを見たと思った。




「そうだな、海斗がパパと呼んでくれるならば放してやらん事もないぞ?」


「イ・ヤ・だ!!」


と睨むが、お父さんは、ニコニコしている。


凄いんだか…

おかしいんだか…



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