泪の花。
すると、背後から



「海斗!!やっぱりパパを愛してくれていたんだねー」



と言いながらお父さんが抱きついた。



「てめぇ…いつから居やがった!!」


真っ赤になって怒っているアイツ…



「案ずるな…オレンジ色と黒の密接な関係からしか聞いてないから。」



「殆ど最初からじゃねえか…」



もう、怒る気力も無くしたのか抱きしめられたまま、うなだれていた。


そのやり取りを見ながら、背後から気配なく近づいてくるのは父親譲りなのだろう…

と妙に納得している自分がいた。



どんなに鬱陶しく思えたって…親は子を子は親を選ぶ事なんてできない。


どんなに憎しみあった親子がいたとしても…

それは、親にとっても子にとっても運命なんだ。


そう思いながら喧嘩しながらペンションに戻る親子の後ろ姿を眺めていた。


「初美!!助けて!!」


涙目になりながら、助けをこうアイツがちょっと幼く見えたのは内緒にしとこう、きっと拗ねてしまうだろうから。
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