泪の花。
キーンコーン…カーンコーン…

チャイムが鳴り響いて、

助かった。

そう思ったのに…



『言うまで離さないからな』



とか言いだす…沸々と何か沸き上がる感じがした…

「何の権利があってそんな事あなたが出来るんですか?」


『ただ…呼んでくれればいいんだよ』


「イヤです。」


『強情っぱり…』



そう言ってバカにしたように笑われた…


「…不愉快です!!離しなさい!!」



今まで出した事のないような大きな声をだした。


沸き上がった感情を思いっ切り人にぶつけた事なんてなくて…
失礼なその人も自分でさえも驚いていた。



腕を離されている事に気づいてダッシュで逃げた。


『俺!!諦めねーからな!!』


廊下いっぱいに響く声で叫ぶ不躾な男。


振り向くと何故かとても優しい顔で笑っていた。





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