泪の花。
すると、一息ついてゆっくりと話始めた。



「あぁ…でもホントは行かないつもりだったんだ。でも、思いっ切り叱られたよ」



と思い出したように笑った。



「“そんな気を使われたって嬉しくもなんともない!!母さんの側に居たいならついて行くべきだ!!”って海斗に怒鳴られたんだ。シュンとした私に“母さんの側にいてあげて下さい”と優しく春斗に言われてね」




すごいと思わないかい!?

小学生がアメとムチを使うんだ!!

と少しおちゃらけて話すお父さんに、親バカだ…

と少し呆れてしまった。


スッ…と表情が変わって



「結局私は、あの子達の優しさに甘えたんだ…」



と小さな小さな声で囁いた。



『子供が大切ですか?』

「もちろんだ。誰よりも幸せになって欲しいと願っている。」


『子供だって、親の幸せを誰よりも願っているんだと思います。みんながみんなだとは限らないと思いますけど…親が側にいてくれるよりも、遠くにいても幸せに笑っている方がいいと思ったから、二人共そう言ったんじゃないでしょうか?』



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