泪の花。
目を丸くして…


私を見ているお父さんは、ゆっくりと表情が変わって涙を零した。



『えっ?!わ、私何か気に障る事を言いました!?』


「違うんだ…気にしないでくれ、ただ…あの子達がホントにそう思っていてくれているのならば、こんなに幸せな事はないと…」



『私は…あの二人は人の気持ちが分かる優しい人間だと思います。だから、安心していいんじゃないでしょうか?』



波の音が、耳に優しく響いて…



お父さんは、その音と同じくらい優しい声で



“ありがとう”



と言った。


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