泪の花。
すると寝ていたと思っていた咲坂君が



「行ってきて下さい。朔來は歩く元気ないだろうし」



『咲坂君…私にコイツと二人で行けと言うんですか?』



えっ!?と言いながら慌てている姿がおかしくて笑ってしまった。


『冗談ですよ。行くよ…』


そう行って私は、スタスタと歩き出した。





初美を追いかけようとすると、春斗に呼び止められた



「海斗…俺、初美さんの笑うとこ初めて見たよ。綺麗に笑うよなぁ」



「…お前朔來というものがありながら…」



「ただ言っただけだろ?そんな目くじら立てんなよ」



「俺なんかずっと前から初美が笑うの待ってたんだからな!!」



「最近ますますお前との会話が困難だ…」



お手上げ。


とポーズをとる春を、キッと睨んで走り出した。




『咲坂君と何話してたの?』


「俺らがいない間に、咲來を襲うなよって釘さしてきた。」



『あら、私の方が危険じゃない。変態と一緒なんだから。』



「失礼な!!俺は紳士だぞ。」



『自分で言う奴に限って、本当に紳士的な人なんていないと思う。』



と言うと言葉に詰まっていた。



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