泪の花。
私だったら出来るだろうか?



他の人を思っている人の側に居続けるなんて…


苦しくて耐えられないかもしれない。





誰かが、誰かに愛されている時…



誰かは、誰かの為に諦めている…


幸せを願って身を引く。

でも…幸せにしたいと、しがみついて、側にいる人だっているんだ…




それは、色んな愛の形の表れかもしれない。



言葉に出来ない程の悲しみを背負って。


涙を流して、それでまた傷ついても、誰かを愛したいと思える心は、とても尊いと思った。





『色んなモノを背負って…人は生きてるんだよね』



傷付く事を恐れてばかりいる自分がイヤになった。





「俺はさ…じいちゃんに感謝してるよ。じいちゃんが、ばあちゃんと結婚してなきゃ、俺はここには存在しないんだから。」


そう言ったアイツは花畑に歩き出した。




『そっか…可哀想とかじゃないよね。ありがとうって言葉の方が何倍もいいよね。』


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