泪の花。
ニコニコして私に一輪摘んでくれた。



『ありがとう…』


「どういたしまして…お姫様。ってキザ?」


『あんたはいつもだから。』


「そーかな?」


『そうよ…』


「初美さぁ、初恋の人っているの?」


顔を上げずに私に聞くアイツ…

初恋?

あの時の男の子が脳裏に浮かんだ。


『いる…かな。』


「ふーん」


『あんたは?』


「いるよ…ずっと、ずっと今でも好きだ。」


目があって…


あまりにも真剣な眼差しに反らす事が出来ない。

『……その人には、伝えないの?』


「今はまだ…言えないんだ。」


『そっか…』


胸が詰まって苦しい…



寂しい気持ち、
悲しい気持ち、
なんだか分からない感情をなんと呼べばいいんだろう?




「初美は…初恋の人に伝えないの?」


なんで…


そんな事言うの?


何故か腹立たしくなった。


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