泪の花。
あの不躾で失礼な男…

人気があるらしく。


ファンクラブ、親衛隊まであるそうで…


そのファンクラブの決まりでは1対1で話すのは御法度との事…だから、廊下でのあの大声で叫んだ言葉を勘違いして、私は呼びだされてしまったのです…



『うっわ…もう…迷惑極まりない…』


「何ボソボソ言ってるのよ!!」


と真っ赤になって怒っている。


はたして、あの男が怒りを感じる程のモノなのか…


どこがいいのだかサッパリ理解が出来ない。と、そんな事を口にするわけにもいかず…


何故、私があの男のせいでこんな事に巻き込まれなくてはならないのか、イライラは募って…次々とネチネチ文句を言うこの人達が鬱陶しくて堪らなかった。


こんな気分になった事はなくて、制御の仕方がわからない。


あの男のせいで怒りの蓋は開きっぱなし…どうしてくれようか?


などと、なるべくネチっこい文句を聞かないようにしていたのに…


『ちょっと!!聞いてるの?』


と突き飛ばされてしまった。

あー限界かも。
と思った時だった。
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