泪の花。
「春はね、バイトしてんの。」



咲坂君の後ろからにゅっと現れたアイツ。

言うなよ!!



と怒鳴っているが、なんでバイト?お金に困る事なんてないはずなのに…


「朔來、もうすぐ誕生日だから…自分の働いたお金で何かプレゼントしたかったんです。」



観念しましたとでも言うように吐露した。


「知り合いのおばさんのアトリエで、手伝いのバイトしてて…朔來は、そのおばさんの名前を勘違いしたんだと思います。」



『なら…朔來には内緒にしておきましょうか?浮気ではないと言います。でも、その事については言いません。』



咲坂君は、ありがとうと頭を下げて…教室を後にした。


「あいつらの絆が試される…試練だよなぁ」


『まぁね…ってストーカー何してんの?ねぇ、変態さん。』


私の肩を抱いて、ものを言っていたアイツの手の甲を思い切り抓った。


「痛い…てか、ストーカーも変態も呼び方最悪だな」


『あら、お似合いじゃない。』


「うわ、キツいなぁ」


と笑いながら椅子に座った。


「ねぇ、初美の誕生日はいつ?」



ちなみに俺は、5月1日。

と聞いてもいないのに答える。
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