泪の花。
『秘密』


「俺の真似?」


そう言ってアイツは、紙を取り出した。


“誕生日はいつですか?”

と書いてある…


あの騙された記憶が蘇って…


イラッとしたが、字を見て…あぁ本当にコイツだったんだなと納得した。



“ひみつです。”


“そう言わずに。”


“知ってどうするんですか?”


素朴な疑問だが一番気になる。



“どうもしませんよ。ただ、初美の生まれた日を知りたいだけ。”



いつもだけど、キザだよなぁと思いながら、顔が赤くなるのを止められなかった。



“初美ってすぐ赤くなるよね”


“なりません!!”


“今も赤くなってるじゃん”


“気のせいです!!”



ムキになって力を入れすぎたせいで紙が破れてしまった。




「あーぁ、せっかくのラブレターが。」



『何が…ラブ、レター…』


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