泪の花。
「俺ら、先に帰るな」



と、咲坂君がアイツに言って図書館を後にした。


「俺…こんな風にプレゼントするの初めてで、気に入らなかったらどうしよう。ってメチャクチャ悩んだ」



と口元に手を当てて横を向いている。




想い人がいるのに…


どうして私にこんな事をするのだろう?



疑問が頭をよぎるけど、嬉しい気持ちが勝ってしまう。


『なんで…私にこんな事するの?』


「…なんでだと思う?」


『分からないから聞いてるの』



「分からないの?」



『教える気ないでしょ?』



「ないねぇ…」



『じゃ、なんで私の誕生日知ってるのよ。』



「それは、秘密。」



『…誕生日でこんなにイライラするのは初めてだわ。』



「記念に残る日になって良かった」



『よかない!!バカにして…』



腹立つ、腹立つ…腹立つ!!


『返す!!』


とネックレスを外して突きつけた。


「返さないでよ、俺がつけてんのも変だろ?」


『知らない!!返す!!』


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