被虐待児の未来
警察の人だった


生まれて初めて、警察署に入った


おじさんは、あたしにメロンパンを手渡してくれた。


御礼も言わずあたしは
メロンパンをほうばった

「よっぽどお腹減らしていたんだな(笑)」


優しく笑った


長い長い間涙を流す事も、声を出して泣くことも忘れていた


おじさんの優しい笑顔に
今まで力張って生き抜いてきた糸がプツンと切れた
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