深想シンドローム
ぴりぴりと、まるで電気が走ってるくらいに張りつめた空気。
そんな中、彼はあたしを睨みつけながら言う。
「もしかして、俺に…触ったか?」
「さ、触る?」
「どうなんだよ!」
あまりの気迫に押され、あたしはただブンブンと首を縦に振った。
何故そんなに怒られてるのか、意味がわからない。
起こしたのがそんなにいけなかったの?
そんな時だった。
「起きてたんすか!」
と走って来たのは、一年生の男の子。
あ、この人…見たことある。
何だっけ、名前。
「おい、西!」
ああ、そうそう!
西くん!
西 哲平(ニシ テッペイ)くんだ!
すると、勢いよく立ち上がったその人は西くんの首根っこを掴んだ。
えっ!?
ええええっ!?
ちょっと、何してるのぉっ!
「西、てめぇ時間に起こしに来いっつったろーが!」
「す、すんませんっ!…て、あれ?」
至近距離で睨まれながら、西くんがあたしに気が付く。